ツロブテロール経皮吸収徐放型テープのメカニズム_8

同一成分含有の2種類の徐放性製剤,互いに交換可能か?”で考えた薬剤師国家試験のもう一つの正解が今回の内容に関連しています(第108回薬剤師国家試験,問281より).問題を再掲します.

ツロブテロール経皮吸収徐放型テープのメカニズム_5”で,”これを薬物吸収と考えると,坂の下は体内と想定できます.体内は貼付した局所に比べると,とんでもなく大きいです.ですから,坂の下のビー玉はすぐになくなると思ってください.”と書きましたが頭の片隅に残っていませんか.

以下の図12.を見てください.

図12.坂の下にビー玉が貯まると?

坂の下に薬物分子が留まっていれば,坂の上と下との分子数の差である濃度勾配は減少します.となると,流束は小さくなり薬物移動量である吸収量は時間と共に低下します.それでは製剤からの放出速度を一定にすることは困難です.

問題の選択肢の”シンク条件”とは,最初に引用した状態,つまり,吸収した分子は体内で広がり坂の下の分子数は,ほぼ”0”となり一定とみなすことができる状態を指します.また,坂の上ですが,ホクナリンテープでは膏体中に溶解している薬物濃度は一定ですから濃度勾配は一定になり,他の条件が同じなら流束は一定になります.セレニカR顆粒の場合も同様で,顆粒内部を膏体中と考えてください.これで正解に至ります.どうでしたか?単純化して考えると理解しやすいと思います.