ツロブテロール経皮吸収徐放型テープのメカニズム_3

もう一度,図1を見てください(再掲します).

図1.ツロブテロールの錠剤と貼付剤の血中濃度比較

ホクナリン錠とホクナリンテープを比較すると,製剤が異なりますから当然ですが,血中濃度の推移が異なりますね.体内動態に関する数値に関して,統計的な処理はできないので明確にはできませんが,Tmaxと半減期(T1/2)が異なるような気がしませんか?両者の血中濃度グラフの時間に関するパラメータを示すと以下になります.

 Tmax(hr)T1/2(hr)
ホクナリン錠33.19
ホクナリンテープ11.85.9

ホクナリンテープが1日1回の使用で,ある程度の血中濃度を維持できるのはテープ自体に徐放性の機能を持たせてあるためです.

外用剤中の薬物が経皮吸収されるためには,薬物が基剤に溶解している必要があります.この点もたいへん重要です.医薬品でも化粧品でも同様です.では,親水性を示す代表的な物質である乳糖を油脂性基剤に練り込んで塗布したとして,乳糖は経皮吸収されるでしょうか?私は,ほぼ吸収されないと思います.

経皮吸収される薬物の物理化学的性質はどのような特徴があるでしょうか?この問い答えが,ホクナリンテープの主成分に”ツロブテロール塩酸塩”ではなく”ツロブテロール”を選んだ理由です.みなさん,是非,考えてみてください.