医薬品に影響を与える因子としては,湿度(水分),温度,光などが考えられます.医薬品は,出荷してから消費者の元に届いてから,一定期間は品質に影響を与える因子を避けるため様々な対策が施されています.

医薬品は,出荷時の包装状態で品質を保証していますが,服用薬剤の一包化などで,薬剤を包装から取り出して使用される場合が増加しています.ここで,薬剤を無包装状態にした際の注意点を考えます.

薬剤が湿気(水分)で変質する例を示します.



セレニカRは,ゲル基剤が水分を取り込みやすいため,影響が大きいと考えられます.
このように,湿気(水分)により薬剤の安定性が変化する場合があります.
次に,光で安定性が変化する例を示します.

服用薬剤の一包化を考えます.

私の場合,6種類の薬剤を服用しています.まだ服用する錠数を間違うことはありませんが,さらに種類が増えれば,いちいち錠剤をPTP包装から取り出し服用することは負担になるかもしれません.
ですから,一包化にはメリットがあることは確かですが,デメリットも存在することも知っておいてください.
次に,無包装状態で保管することで,錠剤の硬度(堅さが)が変化する例を示します.

上のテーブルの右端の”硬度”に注目してください.無為包装状態で保存すると硬度の低下が認められています.
もう一つ,試験した薬剤は”口腔内崩壊錠(OD)”で,一般的に普通錠に比較して硬度は低くなります.硬度に関しては,分包機で分包する際,錠剤などを配置する箇所から分包紙まで,機種によりますが20-30cm程度落下します.その際に錠剤が破損する可能性があります.特に口腔内崩壊錠を扱う際は注意してください(薬剤師がいれば薬剤師の仕事ですが,看護師も一包化の作業を行う可能性があります).
最後の例として,カプセルから内容物の顆粒だけを投与した際に,血中濃度動態が大きく変化する薬剤の例を示します.



これまで見てきたように,患者の利便性を考慮して薬剤の粉砕投与,一包化などが行われています.それぞれ意義のあることですが,注意点も存在することを忘れないでください.
医薬品を保管する際の基本的な注意事項は,
湿気と直射日光を避ける
です.一包化されたものは,ジップロックなどの防湿性の袋を利用すると良いでしょう.
”同一成分含有の2種類の徐放性製剤,互いに交換可能か?”で引用した薬剤師国家試験の問281の解答のヒントはこのページにあります.詳細は,別に説明します.

