同一成分含有の2種類の徐放性製剤,互いに交換可能か?

バルプロ酸ナトリウム含有の徐放性性は2種類有ります.徐放を実現するメカニズムは異なります.まず,両製剤の添付文書を確認しましょう.

添付文書には,
・デパケンR錠は,バルプロ酸ナトリウム徐放錠A
・セレニカR錠は,バルプロ酸ナトリウム徐放錠B
となっています.名称が異なるのは,製剤として異なるからです.
1日の投与回数も
・デパケンR錠は,1日1~2回
・セレニカR錠は,1日1回
です.次に,両製剤の徐放メカニズムを確認しましょう.

イメージとして,以下の様に理解してください.放出を制御する膜が
・デパケンR錠は,1つ
・セレニカR錠は,2つ
この違いにより,動態が異なります.これを,両製剤の血中濃度を比較して確認します.

縦軸の濃度表示が,対数になっている点に注意してください.同一投与量のデータがないので比較は難しいのですが,投与後約8時間までは,両製剤の血中濃度は大きく異なります(対数表示に注意).

これまでの内容から,互いに交換可能かを考えます.
両製剤は,1日の投与回数も異なりますから当然ですが,徐放化のメカニズムの違いによる血中濃度の動態も異なるため,安易な交換は避けるべきでしょう.
この内容と類似する設問が,薬剤師国家試験で出題されました.出題しやすい面はあったのでしょうが,重要だから出題されたと思います.では,問題を見てみましょう.

投与回数から,正解はある程度絞れます.ここでは,製剤量に注目します.
再確認ですが,消毒薬の希釈なども同様ですが,以下の点を忘れないでください.
成分量は変わらない

計算の一例を示します.
バルプロ酸ナトリウムシロップ5%は,バルプロ酸ナトリウム50mg/mL含有.
バルプロ酸ナトリウムの1日投与量は50mg/mL×12mL = 600mg.
セレニカR顆粒40%は,バルプロ酸ナトリウム400mg/gの含有量.
セレニカR顆粒40%の1日投与量(製剤量)をXgとすると,
400mg:1g = 600mg:Xg より、
X=1.5になる.

次の設問です.

もう一つの正解は,別の項目で記述します.