くすりの基礎

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02.06-4 薬剤の有効性

薬物を服用することにより得られる有益性や利益(benefit)と考えられる不具合や危険性(risk)のバランスを考慮して,薬物療法は行われている.なお,リスクは,情報を総合的に判断することで避けることは可能.
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02.06-3 薬物(薬剤)のアレルギー反応

食品の成分でもアレルギーを引き起こすから,薬物でも”有効成分はもちろん賦形剤によるアレルギー反応を含む副作用”は当然ある.すべての薬物は,有益性とともに不具合も生じる可能性がある.
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02.06-2 薬物の副作用-2

一般的に使用されている多くの薬物は,抗コリン作用を持っている.このような薬物は,ほぼ、こうした望ましくない作用を引き起こすことを意図して作られたわけではない.従って,受診する際には,現在服用中の薬剤,一般用医薬品,サプリメントを含めて医師に伝える事はだいへん重要.
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02.06-2 薬物の副作用-1

ベラドンナ総アルカロイドの抗コリン作用により,鼻水は止まるが,同時に,唾液の分泌も減少し口渇になる.両方の反応ともベラドンナ総アルカロイドの主作用.鼻炎治療目的で服用する限り口渇は避けられない.副作用にはこのようなケースもある.
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02.06-1 薬物投与量の指標

動物実験で投与した半数に反応が認められる用量をED50,投与した半数が死亡する用量をLD50,投与した半数に中毒が認められる用量がTD50.LD50をE50の値で除した値が治療係数.治療係数が大きい薬物ほど,安全性が高いと考える.
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02.05の問題の答え

腎機能低下時は,薬物の未変化体,代謝物とも体外へ排泄されず,未変化体の血中濃度は低下しない.肝機能低下時は,薬物の代謝が進まず,未変化体から代謝物への転換が遅れ,未変化体の血中濃度が低下しない.
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02.05 薬効の個人差に影響する因子

乳幼児は大人に比べて,肝機能や腎機能が未発達なので,当然,ADMEに影響を与えるため,薬物の反応も変化する.加齢に伴い,様々な機能は成人の頃に比べて低下する.しかし,低下の度合いは個人差が激しい.
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02.04 薬物相互作用

2種類以上の薬物を併用すると,どちらか一方の血中濃度が変化し,作用が増強したり減弱したりすることがあり,これを薬物相互作用という.なお,相互作用は,薬物の間だけで起こるのではなく,薬物と食品の間でもおこる.
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02.07 薬と法律

医薬品の使用にあたり,重要な情報を記載してある文書は添付文書.添付文書の内容は,すべて重要であるが,必ず常に確認すべき項目が,警告と禁忌.これらを見落とすと,患者さんに重大な健康被害を引き起こす可能性がある.インフォームド・コンセントとヘルシンキ宣言
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02.03-3 ADMEとまとめ

投与量と血中濃度には相関関係があり,血中濃度と生体反応(効果)のも相関関係がある.薬物の血中濃度と薬効の強さとは高い相関関係を示すことが多いことを,”pk/pd relationship”という.