漢方薬の古典として,”傷寒論”,”金匱要略”があります.この書籍に習って使う漢方薬を選択しようとするヒトを,”古方”派といいます.
古方の考えに従うと,上の図の”太陽病,項背強ばること几几(きき),汗無く悪風(おふう)する(ヒト)”は患者の訴えで,その症状から判断すると”葛根湯之を主(つかさど)る”なので葛根湯がよく効く,とされます.
これを,患者の訴えが【証】といい,それに従って漢方薬を選択します.
葛根湯の場合は,”汗がない”です.もし,”汗が出る”なら葛根湯ではなく,別の漢方薬になります.
ですから,”かぜ”としましょうから,おなじかぜでも,患者が訴える症状が異なれば,使用する漢方薬も異なります.
漢方薬にも有害反応はある点に留意すること!
マオウ(麻黄)には,エフェドリンが含まれているので血圧は【上昇】する可能性がある.
カンゾウ(甘草)には,グリチルリチンがふくまれているので【偽性アルドステロン症】に注意
インターフェロン使用時の小柴胡湯を投与する場合に特に注意すべき有害反応は【間質性肺炎】
※近年,漢方薬の有効性に関する科学的エビデンスが蓄積されつつある.