10_2-01 ”胃潰瘍など消化器に作用するくすり”のまとめ

胃液の主成分は【塩酸】で,その分子式は【HCl】.

胃や十二指腸の粘膜が,自らが分泌した胃液により障害を受けた状態が【消化性潰瘍

正常な状態は,胃液などの【攻撃因子】と粘膜を保護する【防御因子】のバランスが取れている.

攻撃因子と防御因子のバランスを崩す大きな要因である細菌は【ヘリコバクター・ピロリ

胃酸は,H2受容体に伝達物質【ヒスタミン】が結合して分泌される.

※H2受容体は,ヒスタミン(histamine)が結合するから”H”です.

H2受容体にヒスタミンが結合しないようにすれば胃酸は分泌されないので,その反応を示す薬物が【H2遮断薬,他にH2受容体拮抗薬,H2ブロッカーなどの名称もあります

H2遮断薬より強力に胃液の分泌を抑制する薬物は【プロトンポンプ阻害薬,PPI,proton pump inhibitor

消化性潰瘍に対する薬物の治療により症状が軽減しても,一定期間【服用】することを伝える.

ヘリコバクター・ピロリの除菌療法を行うと,胃腸症状が【悪化】することを伝える.

※塩酸は,HClでしたね.これは,H+・Clです.ここで,H+(水素イオン)を”プロトン,proton”と言います(厳密には少し違います).

胃液 → 塩酸(H+だからプロトン) → 分泌を止める(分泌=ポンプ,止める=阻害) → プロトンポンプ阻害薬と覚える.

消化性潰瘍は,1976年H2遮断薬のシメチジンの販売により,手術ではなく薬物療法で治療できるようになりました.

H1受容体を遮断する薬は,どのような症状に使われましたか?【アレルギー

便秘の治療で,下剤を頻繁に使用すると,使用量が【増加】することがある.

下痢の場合は,むやみに下痢を【止めない】で,原因に応じて治療を行う.