必修問題
医薬品に関する禁忌を示すことが定められているのはどれか.
第104回_午前17問
1. 処方箋
2. 診断書
3. 看護記録
4. 添付文書
これはみなさんが全員正解して欲しい問題です.”薬と法律”をもう一度確認してください.
”警告”と”禁忌”の意味とその違い,”警告”がある薬剤の処方せんの特徴も再度確認しておきましょう.
必修問題
鍵のかかる堅固な設備で保管しなければならないのはどれか.
第099回_午後017問
1. ヘパリン
2. インスリン
3. 風疹ワクチン
4. モルヒネ塩酸塩
必修問題
他の医薬品と区別して貯蔵し,鍵をかけた堅固な設備内に保管することが法律で定められているのはどれか.
第107回_午前017問
1. ヘパリン
2. インスリン
3. リドカイン
4. フェンタニル
法律上の薬剤の保管方法に関する問題です.特に,麻薬,毒薬,劇薬の3種についての違いを確認しましょう.
他の薬剤との区別 | 保管関連 | |
麻薬 | (注意) | かぎをかけた堅固な設備内(通常は金属性の金庫) |
毒薬 | 区別して貯蔵,保管 | 専用の施錠できる保管庫 |
劇薬 | 区別して貯蔵,保管 |
麻薬の保管用金庫は,麻薬専用です(ただし,覚せい剤とは専用金庫内に一緒に保管できます).したがって,麻薬の保管用金庫に劇薬等を保管することはできませんから,麻薬は,他の薬剤とは区別して保管になります.
なお劇薬の保管関連で,”施錠”に関する注意書きはありません.
これらの問題で注意して欲しいのは,薬品名は”一般名”で出題されています.薬物の一般名を見て,どれが麻薬か毒薬かわからないですよね.麻薬の保管は注意と理解していてもどれが麻薬か判断できなければ解答できません.”インスリン”は劇薬に分類されますが,毒薬,劇薬に分類されている薬剤は多数存在するので覚えるのはほぼ不可能でしょう.そこで,該当する数が比較的少ない”麻薬”の一般名になじんでおきましょう.汎用されている主な薬物は以下です.薬理学Ⅰのテキストp.189も参照してください.
麻薬に該当する薬物 | 主に使用されている剤形 |
モルヒネ | 徐放性の経口剤 |
オキシコドン | 徐放性の経口剤 |
フェンタニル | 貼付剤,舌下錠 |
ケタミン | 注射剤 |
メサドン | 経口剤 |
関連する法律は,薬理学Ⅰのテキストp.55を参照.
麻薬 麻薬及び向精神薬取締法
毒薬,劇薬 医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律
(医薬品医薬機器等法)
必修問題
医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医薬機器等法)による毒薬の表示を別に示す.正しいのはどれか.
第109回_午前014問
必修問題
医薬品表示を別に示す.劇薬の表示で正しいのはどれか.
第106回_午前017問
毒薬,劇薬の表示は覚えるしかないですね.”薬と法律”に掲載してある実際の”医薬品パッケージの写真”も参照して”色をイメージ”で覚えた方が楽だと思います.
必修問題
医療機関における麻薬の取り扱いについて正しいのはどれか.
第103回_午後016問
1. 麻薬と毒薬は一緒に保管する.
2. 麻薬注射液は複数の患者に分割して用いる.
3. 使用して残った麻薬注射液は病棟で廃棄する.
4. 麻薬注射液の使用後のアンプルは麻薬管理責任者に返却する.
この問題は難問だと思います.麻薬の実際の取扱いなどは講義で触れることはできませんでした.
詳しくは厚生労働省から”病院・診療所における麻薬管理マニュアル”が公開されており,そこに記載されています.
講義で述べているように,国家試験は順番を決めるのではなく,所定のの知識量の有無を点数に換算して一定点数以上を合格にしますから,わからない問題があったらそれは捨てても良いのですが,これは”必修問題”ですから,1点でも惜しいのでなんとかしたいですね.そこで,これまでの内容から考えてみましょう.
1.は×ですね.麻薬は他の薬剤とは別に保管でした.
後の選択肢は,知識がないと判断は難しいですが,麻薬は依存性があるから管理を厳重にしています.この観点から見ると,
3.は,”破棄したと言ってごまかす”ことはできそうですから,×の可能性が高い.
4.は,麻薬の管理の点から正しい感じ.
2.は,これは知識がないと判断できません.
この問題の正解は”4”ですが,すべてを理解していなくても正解にたどり着く道はありそうです.
病院・診療所における麻薬管理マニュアル,厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課,平成23年4月
引用した文章の(6)を読んでください.
麻薬管理者になれるのは,医師,歯科医師,獣医師,薬剤師です.