02.08 処方せんにおける薬剤量の記載方法

処方せんに記載されている薬剤の量は,以前は1日量が用いられていました.また,薬剤の量に関しても,”成分量”と”製剤量”の表記が混在していました.これらの表記の混在により,投薬ミスが懸念され,現在では,1回の服用で摂取する量である”1回量”表記が推奨されています.

実際の処方せんの例を示します.

なんども繰り返しになりますが,顆粒剤の成分量の認識は大丈夫ですか?もう一度,確認しましょう.

こちらの処方せんは,少し古いですが,よく見てください.

トミロン細粒小児用100は,150mg力価となっていて,これは成分量を示しています.ムコダインDSの方は,1gでこれは製剤量です.なお,この処方せんの場合は,薬剤量は1日量表記です.

トミロン細粒の方は,成分量(含量)は10%なので,製剤としては1.5gになります.ムコダインは,そのまま1gです.

間違う可能性がありますよね.トミロン細粒の方を,製剤量と勘違いして,1日量が0.15g投与したら,指定量の1/10ですから効果は期待薄です.この場合は投与量が少なくなりましたが,これの反対,製剤量表示であるのにその値を成分量表示だと思い込み,その結果,所定の量の何倍もの薬剤を服用してしまい不幸な事例が発生したことがあります.

顆粒剤では,投与量の誤認の原因になるため,製剤量での記載が望まれます.

ですから,みなさんが薬剤を扱う際には,念のために医師の指示が何を示した量なのかを確認する必要があります.

誤認による投与ミスをなるべく起こさないためにも,一日も早い表記方法の統一が望まれます.