もう一度,1-コンパートメントモデルの式を再確認してください.
ここで容易に値を変化させること(正確には異なりますが)ができるのは,容器の大きさの”Vd”と投与量の”D”です.そこで,C=D/Vdと単純化し,以下の図を見て考えてみてください.
先述した式を基に様々な条件を変更させシミュレーションした結果からいろいろ考えてみます.
グラフの”基準の投与条件”を見てください.Cmaxでも”中毒が発現する濃度”以下で,約0.5時間から13時間までの間は,”効果が発現する濃度”以上になっています.他の条件は同じにして,投与量だけを2倍にすると,中毒発現の濃度を超えてしまします.また,複数回投与で,排泄される薬物量より,吸収される薬物量(投与量)が大きければ薬物は蓄積されます.
ここで,”効果が発現する濃度”と”中毒が発現する濃度”との幅が狭い場合,投与量は慎重に設定しないと危ないですよね.このような薬物の場合で,血中濃度を測定しながら投与量を決定する手法をなんと言いましたか?【TDM】
同じように投与量を固定して,様々な投与方法でシミュレーションした結果を示します.
このように,一番早くCmaxに到達する投与方法は,静脈投与です.厳密に言えば若干のタイムラグはあるのでしょうが,静脈投与では吸収速度定数は,ほぼ無視できます.なぜなら,血中濃度を示していますから,ほぼ0時間で血中濃度は上昇しますからですね.
下の方の点滴を見てください.これが先に書いた問題の答えです.蛇口から流入する水の量と排泄される水の量を合わせれば,水位は一定に保てます.つまり血中濃度は,ほぼ一定に保つことが可能です.これが点滴で投与するメリットの一つです.
薬物の生体内でのADMEに関する内容,薬物の動きを主に調べる学問が【薬物動態学(Pharmacokinetics)】
脳に不必要な物質を移行させない役目を果たす関門は【血液脳関門,BBB(blood brain barrier)】
血液中の存在する代表的なたんぱく質は【アルブミン】
アルブミンは,ある種の薬物と【結合】する.
アルブミンはたんぱく質の一種なので,一般的な薬物の分子量と比較すると【大きい】.そのため,アルブミンと結合した薬物【結合型】は,結合していない薬物【遊離型】と比べると,はるかに大きいので【受容体】に結合できない.そのため,結合型と遊離型は,体内での動きと働きに差異が生じます.