薬剤の有効成分の名称を【一般名】といいます.一般名について考えるために,血圧降下薬であるノルバスクの添付文書を見てみましょう.
引用元:ノルバスク錠,添付文書より,ヴィアトリス製薬株式会社,2022年12月改訂 ( 第3版 )
有効成分と塩の関係は,”00.02くすりの有効成分の量”を参照.
ノルバスクは,有効成分の一般名が”アムロジピンベシル酸塩”であり,販売名が”ノルバスク”です.
医薬品は,他社に先駆けて有効成分の製造する権利(主に特許権)と販売する権利を得た製薬会社が10年程度独占して販売できます.この医薬品を先発医薬品(先発品)といいます.販売する際に,販売名は製薬会社が独自に付けます.この場合は”ノルバスク”ですね.
病院など実際の臨床では,”販売名”が使われる事が多いとされてきましたが,後発医薬品の使用量増加により状況が変化しています.
後発医薬品(後発品,ジェネリック医薬品)は,先発医薬品の特許権が失効した後に販売されるものです.実際にアムロジピンベシル酸塩錠の後発医薬品を確認すると,
引用元:アムロジピン錠2.5mg「サンド」,添付文書より,サンド株式会社,2022年12月改訂(第17版)
となっていて,後発医薬品の販売名は,【一般名+剤形(この場合は錠剤のため”錠”)+規格+「会社名」】で統一されています.
このように後発医薬品が多数使用されることで,実際の医療の場でも一般名に触れる機会は増加しています.