遙か昔に生きたヒトは,頭が痛かったらどうしたでしょうか?どの時代でも痛いのは嫌ですね.なんとか痛みを除こうとして,身の回りにある植物や鉱物を手当たり次第に試したことでしょう.有名な話しですが,ヤナギの枝を噛んだら痛みが取れた,逆に,古代中国では不老不死を目的として水銀を飲んで,寿命を縮めたそうです.
このような経験から,ヒトに有益な物を【薬物】,有害な物を【毒物】としました.
様々な経験や知識が体系的に整理され,中国では,それが主に植物を原料とした【漢方薬】になりました.
科学が発展し,ヤナギの樹皮の鎮痛効果を示す物質はサリチル酸であることを見いだし,サリチル酸をアセチル化することでアスピリンが開発されました.
効果を示す物質(有効成分,薬物)を含んで容易に利用できる形(剤形)にする事を”【製剤】化する”といいます.
ですから,”薬物”と製剤化された”薬剤”は,異なる概念ですが,混同されて使用されています.
医薬品の分類(医薬品の定義は”02.07薬と法律”を参照)
医師,歯科医師の処方せんの指示の基で使われる医薬品は【医療用医薬品】
薬剤師の情報提供や指導の基で使われる医薬品は【要指導医薬品】
薬局などで購入できる医薬品で要指導医薬品を除いたものを【一般用医薬品】