【基礎学力試験】の解答を考えてみました.数値計算の練習です.”%”表示に慣れてください.
07.5%の食塩水100mL中,食塩は何gですか.
引用元:基礎学力試験,三重看護専門学校,2022
まず,”00.02 くすりの有効成分の量”の後半を見て,”%”の意味を確認してください.
この問題の”%”は,重量百分率のw/v%で,100mL中に含まれる成分の重さを示しています.
5%食塩水100mLの中に含まれる食塩は5gですね.
確認ですが,食塩はNaClです.
09.5%のアルコールを用いて0.2%の希釈液1,000mLを作るのに必要なアルコール量は何mLですか.
引用元:基礎学力試験,三重看護専門学校,2022
考え方は複数あります.ここでは,成分(アルコール)の量に注目して計算します.
まず,こ問題の”%”ですが,アルコールは液体なので体積百分率のv/v%です.
5%のアルコール液ですから,100mL中にアルコールは5mL含まれています.
さて,0.2%アルコール1,000mL中に含まれているアルコールの量はどれだけでしょうか.
そうです,2mLですね.
2mLのアルコールが必要なわけですから,5%溶液をどれだけ取れば良いかを考えます.
比を取りますが,”比”については”00.05 液状のくすりの濃度”を確認してください.
式は,
5mL(これは5%溶液中のアルコールの量ですね): 100mL = 2mL : xmL
xmL = 100mL × 2mL / 5mL
= 40mL(アルコール2mLに必要な5%溶液の量)
答えの5%溶液40mLに水を加えて全量を1,000mLにすれば,0.2%アルコール液1,000mLの完成です.
このような比の計算は,落ち着いて考えれば大丈夫です.このような問題の計算方法は,ここで挙げた以外にもありますが,各自が確実に計算できる方法を身につけてください.
10.70%アルコール100mLに水を加えて50%アルコールをつくりたい.必要な水の量は何mLですか.
引用元:基礎学力試験,三重看護専門学校,2022
この問題の”%”もv/v%です.
70%アルコール液100mL中に成分のアルコール(ややこしいですね)は,70mL入っています.
考え方ですが,
70mL / (100mL + 加える水の量) = 50%(0.5ですね)
となります.
念のために計算すると,
(100mL + 加える水の量) = 70mL / 0.5
(100mL + 加える水の量) = 140mL
加える水の量 = 140mL ー 100mL
= 40mL です.
余談ですが,みなさんは消毒用エタノールをご存じですか?
医療関係では,アルコールと言えば,普通はエタノールを指します.
この消毒用エタノールには,有効成分のエタノールはどれだけ含まれているでしょうか?
実際の添付文書を見てみましょう.医薬品の添付文書に関しては,授業で解説します.今は,医薬品の使用方法や注意点が記載さている文書と覚えておいてください.
引用元:消毒用エタノール「ケンエー」,添付文書より,健栄製薬株式会社,2019年6月作成
有効成分を示している”組成・性状”は,
エタノール(C2H6O)76.9-81.4vol%を含有する.
となっています.”vol%”は体積百分率のv/v%と同じです.
消毒用エタノールは,純粋なエタノールではないんですね.薄めています.薄めることを”希釈”という言い方をします.
ちなみに,水分をほとんど含まないエタノールを”無水エタノール”といいます.”無水”ですが,エタノールの性質上,水分を”0”にすることは出来ないので,無水エタノールには若干の水分が含まれています.
エタノールですが,みなさん,覚えていますか? CH3-CH2-OHでしたね.ですから,(C3H6O)です.