00.03 液体の体積(量)と質量(重さ)

液体のくすりの有効成分の量を示す濃度を見る前に,液体の体積(量)のあらわし方を確認しましょう.

みなさんは,液体,牛乳で考えましょうか,牛乳の量を言うときに,どのように話しますか?

200mLと言いますか?200cc(シーシー)と言いますか?

最初に,”mL”と”cc”ははどちらも体積を表す単位で、物理的な量の違いはありません.ただし,1992年の計量法改正で体積の補助単位が”mL”となったので,今後”cc”の使用は少なくなると思います.本サイトでも”mL”を使用します.

では,”1mL”はどの程度の体積でしょうか?

ccの定義がわかりやすいので引用すると,

1ccは1辺が1cmの立方体の体積であり,立方センチメートル「cm3」の英語読み「cubic centimeter」の略です.

1ccは1mLと同じですから,1mLも1辺が1cmの立方体の体積になります.

次に,水1mLの質量を考えてみましょう.

水の質量は,

    水の質量=水の体積 × 水の密度

で計算できます.

密度は,”物質の一定体積当たりの質量”のことであり,密度の単位は,”g/cm3(グラム毎立方センチメートル)”です.

水の密度は,すでにわかっています.水の密度は,1.0g/cm3です(正確には,0.999・・・という値ですが,1.0とみなします).

計算してみると,

1cm3(水の体積) × 1.0g/cm3 = 1.0g

になりますね.ですから,1mL(1cc)は1gです.因みに,1gは,一円玉硬貨の重さです.

では,1Lの水の質量はどうでしょうか?

水1Lは,1,000cm3ですから,

1,000(cm3) × 1.0(g/cm3) = 1,000(g)

となりますね.1,000gですから1kgです.ペットボトルに入ったお茶などは,500mLなら約0.5kg,1Lなら薬1kgですね

この計算で,1Lを”1,000mL”としたことに注意してください.計算する際には”単位をそろえること”が大変重要です.単位をそろえずに,1Lのまま計算するとどうなるでしょうか?

1(L) × 1.0(g/cm3) = 1(単位が不明)

とかになるのでしょうか?答えの単位が不明になり,なにをやっているかわかりません.

計算する際は”単位をそろえる!”こと,繰り返しになりますが,是非,覚えておいてください.

水以外の日常でである液体の密度を調べ,各々の液体1Lの重さを見てみましょう.

・牛乳                密度1.03-1.05(g/cm3)程度

となっていますから,1.03(g/cm3)を使うと,

1,000(cm3) × 1.03 = 1,030(g)

・醤油                密度1.1-1.2(g/cm3)程度

となっていますから,1.1(g/cm3)を使うと,

1,000(cm3) × 1.1 = 1,100(g)

牛乳や醤油の密度が,水より大きいのはたんぱく質などが含まれているからですね.